現役一橋大生、勉強と学問について語る

これまでの経験を活かし、勉強や学問、努力といったことについて語ります。学生時代の備忘録という役割も兼ねています。

「7回読む」勉強法…

 

気が付けばセンター試験まであと100日を切っていましたね。

残りはちょうど3カ月ほどでしょうか。

 

夏休みが勝負だなどとよく言いますが、

 

ここからは1日1日が勝負だと思います。

 

気を抜いていい日はありません。自分が勉強していない間にも、ライバルは成長してい ます。

上位校ともなれば、ライバルは全国にいるわけです。イメージし難いかもしれませんが、何百・何千人という単位で競争することになるのです。

それでも手を抜いていられますか?

 

とまぁ煽っておいてなんですが、焦って基本をおろそかにするのは愚策です。

物事には順序がありますから、着実に、しかし迅速に基礎を固めていきましょう。

まだ、そこまで慌てるようなタイミングではありません。

 

さて、先日書店でこんな本を見かけました。

 

 

山口真由さんといえば

筑波大附属中学・高校→東京大学法学部と進学され、大学3年次に司法試験、4年次に国家公務員Ⅰ種試験に合格、首席で卒業した後は財務省に入省、その後ハーバード大学を修了、現在はニューヨーク州弁護士として活動されています。

 

経歴を書いていて頭が痛くなってきました。輝かしいの一言ですね。

 

で、以前から「教科書を7回読む」という勉強法を提唱した著書を出版されています。

これだけの経歴を持つ人が書くのですから、説得力は段違いです。

たかだか一介の一橋大学生である僕が同じ内容を書いたとしても、支持を得られることはまずないでしょう。

 

「東大首席」「ハーバード」「官僚」「弁護士」

と数え役満の経歴がものを言います。

 

とはいえ、僕も様々な勉強法や自己啓発についての本を読んできました。自分なりの理論を確立してきたという自負もわずかながらあります。

 

僕の結論としては、(著作全てを読んだわけではないですが)

 

「これでできるようになるようなら、受験勉強は苦労しないし、ここまで一大産業となることもない」

 

というものです。

 

ツッコミどころとしては3点。

① 目からの情報のみでは定着率が悪い(経験より)

② あまりにも時間がかかりすぎる

③ そもそも誰にでもできるものではない

 

まぁ、詳しく述べるようなものでもないのでまとめて書くと、

①について、手を動かすことなく知識だけを詰め込むことはできても、思い出す必要があるのは試験の場です。

書かないと合格はないんですよ。 なのに、読んで覚えたというだけで対処できると思いますか?

あと、②に関してもそうです。「織田信長は天下統一まであと一歩のところで本能寺の変に遭って自害しました」という事実、7回読む必要ありますか?中学生の時に習うでしょ。

全部読ませようとする時点で非効率です。

例えば、山川の世界史の教科書ってだいたい400ページあるんですよ。日本史も同じくらい。

繰り返す中で読み方は変わるでしょうから、7回を平均して2ページ1分でも読み切るのに400÷2×7=1400分、23時間かかります。

実際にはぶっ通しではやらないでしょうが、そうなるとページ当たりの時間も増えるでしょうね。これ、1冊の教科書にかかる時間としてはあまりに多すぎます。

 

5万歩譲って資格試験とかなら時間に余裕もあっていいんでしょうか。

いや、だとしても効率悪いですね。 

 

③は前提から問い直す必要があるんですが、

この本が誰に向けて書かれているかという話。

・世間一般の学生ないし何か具体的に勉強しようとしている人なのか、

・東大のように超エリートコースを目指す学生なのか、

・そもそもターゲットはいなくて「こうやって勉強したら成功した、すごいだろお!」的な本なのか。

 

真ん中だったら納得ですね。一種の合格体験記的な。

 

一番上だったら明らかに間違えてますよね。

勉強法の本を買う人は「できるだけ楽に(時間をかけず)」「最大限の効果を」出せるやり方を探しているはずです。

この本は、「できるだけ楽に」の点において致命的なミスを見せています。

教科書を7回読破することの大変さ、わかります?

僕は自他ともに認める活字中毒で、勉強も全く苦にならない性格でしたが、教科書を意図的に読破したのは1周だけです。

理由はあまりにも簡単、退屈で身にならないと感じたからです。

世間一般的に7回読み切れる人が存在するとは到底思えません。

 

個人的にはこの本は山口さんの自己顕示欲を満たすために書かれた本であるという気しかしません。こうやってブログとかで言及されていることも満足の一端を担っているのではないでしょうか。笑

 

その他にも、総合点勝負の受験でいちいち教科書の読破を前提にしていたら時間が足りないとか、覚えたかどうかの判断基準とか、ツッコミどころは満載でした。

 

「教科書をおろそかにすべきではない」のは当然ですが、「自分の力になるやり方を全力で探す」のも重要です、というか教科書に頼れるのは大学受験までです。

だからこそ、効率の良い方法を探す努力をすることが必要で、それが受験生としての醍醐味なのではないでしょうか。

教科書をただ読むだけの受験勉強、つまらなくないですか?

 

まさか本1冊の批判でここまで書くとは思いませんでした。

批判しただけでも良くないので、次回は代案という形で僕のやり方を紹介しようかなと思います。本にしたら多少いけるんじゃないかなと思ってます。笑